Release: 2020/09/24 Update: 2021/09/05
「認知症」介護施設の探し方
私の両親が認知症を発症したのは、かれこれ10年前でしょうか。
その頃、各介護施設でHPを持っているところはほとんどなかったように思います。
さて、うちの両親が認知症になり、父は頻繁に徘徊というか、迷子になって一晩中、帰ってこないことが多くなる。
母は母で、日がな一日リビング(と言っても和室)で寝転がってTVを見るだけの生活になり、家事も全く出来ないどころか、部屋で失禁することが頻繁になってきました。
こうなってくると、家族が親の面倒をみることが難しくなります。
昼間、会社に行っている間に外出して迷子になる、そうなると私が帰宅してから警察に連絡して捜索する羽目になる。
その間、母親は事態が呑み込めずに、ただTVをみているか父の悪口を言っているだけになる。
こんな生活が続くと私の精神状態がおかしくなってきます。
頼りにできる人は誰もいない。
疲れて帰ってきて父親の捜索と母親の暴言を浴びる日々。
お金がかかっても両親の面倒を誰かにみてもらいたくなります。
そこで、まず、両親を老人健診に連れて行くことにしました。
本人達には単なる健康診断だと言い聞かせて、弟に車を出してもらって、老人病院に行きます。
当時は「物忘れ外来」なんていう科はありませんから、いわゆる精神科受診になるわけですが、病院には事前に事情を話して、受診時には介護認定士が一人ずつ面接をして介護度を判定してもらいます。
意外だったのは、母よりはしっかりしていると思っていた父までが要介護2の判定を受けたこと。
母は要介護3でした。
確かに買い物に行って帰り道が判らなくなるという父の状態は尋常ではないし、身近で見ていない分、第3者からしたら認知症は結構進行していると判断されたようです。
こうなるともう、私一人で両親の面倒を見ることはできないので、介護施設を探すことにしたのですが、今のようにHPを持っている施設が少ないこと、介護施設を紹介してくれるサイトもなかったのです。
どうやって施設を探すかと言うと、地元の市役所の介護課に行って介護施設を紹介してもらおうと思いました。
しかし、市役所ではそういう業務は行っていません。
介護施設名、住所、電話番号が書かれたA4サイズの一覧表を渡されて「好きなところを選んでください」と言われるだけ。
仕方ないので、その一覧表に書いてある施設に会社の昼休みに片っ端から電話で状況確認をするのです。
これ、全然埒があきません。
まず、特養なんて利用料金は安いものの、どこにかけても「3年待ちです」と言われる始末。
10年前の特養は介護度が高い人(要介護4か5)の人を優先的に入居させるので、うちのように介護度が低い場合はそれだけで待ち人数300人になってしまうようでした。(実際にそれだけの人が入居待ちしていたかどうかはわかりませんが)
そこで特養は諦めて民間の施設に連絡すると、毎月の利用料金が一人25万円以上の施設ばかり。
入居一時金が数十万円から数百万円のところもありました。
そういう施設は空きがありますけどね。
両親に多少の預貯金はあったものの、二人入居で月に50万円以上の利用料がかかる施設にはとても入居させられません…
会社の昼休みに電話をかけていても施設が決まらない、無駄に時間だけ経っていく状況。
今にして思えば、早めに介護認定を受けてケアマネージャーを紹介してもらって、ケアマネージャーを介して施設を探せばよかったのでしょうが当時はそういう方法も判りませんでした。
結局私は数少ない「介護施設紹介会社」のHPに、扱っている施設の資料を取り寄せることから始めました。

関連コンテンツ