Release: 2020/09/27 Update: 2021/09/05
ぶち切れる高齢者

ブチ切れる高齢者増加!?

最近問題になっている、高齢者による暴言や暴力、傷害事件。
あなたの周りにもこんな迷惑老人はいませんか?
ひと昔ふた昔前なら「年を取ると人間が丸くなる、穏やかになる」と言われていましたよね?
ところが現実は年々、高齢化が進み、長生きする高齢者が増えてきたせいか、すぐキレる高齢者も増えてきました。

コンビニでブチ切れた高齢者

以前、英前のNe◯ Daysでパートをしていたときのことです。
働き始めてわずか3日目くらいだったと思うのですが、お客様の買った商品をダブル(二度打ち)してしまったことがありました。
そのお客様の後ろに列ができていたので、焦っていた私はそのミスに気づきません出した。
そのお客様はお財布の小銭を減らしたくて、細かいお金で払ってくださったのですが、買っていない商品がレシートに記録されていたことに気づきました。
すぐに謝罪して、差額をお返ししようとしたのですがいきなり怒鳴り始めたのです。
「こっちは小銭を減らしたくて払ったのに、返金したらまた、小銭が増えるじゃないか!」
「金じゃなくてカードに入金しろ!」
「間違えるような店員を置くな!」
と言うようなことだったので、すぐに他の店員に対応をお願いしたのですが、その人の怒りは収まりません。
何としてでもカードに入金させたかったからか、延々その苦情は30分以上にもなりました。
幸か不幸かその時、責任者である店長が外出していたので、我々スタッフではどうしようもないと悟ったその人は「二度と来るか、こんな店!」と捨て台詞を残して去っていきました・・・
確かにレジ打ちを間違えたのはこちらが悪いのですが、丁寧に状況を説明して謝罪しているのにここまで怒る内容でしょうか?
普通の神経なら腹立たしく思っても、「しょうがない」と諦めると思うんですよ。
ここまで怒り狂う(もう、お客と言うよりクレーマーとしか言えない)人って、どこか異常じゃないでしょうかね?
見たところ70代の高齢者でしたが、店長に報告した時にも「たまに異常にクレームをつける人がいるので、あまり気にしないように。これからはミスをしないように気を付けるように」と言われただけでした。
穏やかに歳を取る人もいれば、反対に上記のような攻撃的な高齢者も増加しています。
なぜでしょう?
それは・・・

高齢者が切れる原因

高齢者がぶち切れる原因として、以下のような事があります。
軽い認知症の高齢者や重篤な認知症の高齢者によくある現象なので、まとめてみました。

 

脳の前頭葉の委縮

高齢化に伴い、感情をコントロールする脳の一部である「前頭葉」が委縮し、機能低下することが一因です。
高齢者のみならず、事故で前頭葉を大きく欠損した人の人格がガラッと変わったというアメリカの事例もあります。
今から60年以上前の話ですが、その人は事故前までは穏やかな人だったのに、怪我が良くなる頃からやたらと人に対して攻撃的になり、すぐカッとなって暴言を吐いたり暴力をふるったり、怒りっぽくなってしまったのです。
その人は友人を失い、さらには職場も追われることになってしまいました・・・
その人自身は、なぜ自分が人に対してこれほどまでに攻撃的な態度を取るのかが理解できませんでした。
今ほど、脳の科学が進んでいなかったので、医者も性格が一変した理由がわからなかったのです。
その人の最期はわかりませんが、事故後は不幸な人生を送ったのでしょうね・・・
さて、高齢者の前頭葉の委縮ですが、年齢を重ねれば誰にでも起こりうることです。
ところが、前頭葉が委縮しても性格が穏やかなままの人もいます。

切れる老人と切れない老人

それは前頭葉の委縮に伴い、「怒り」を作り出す「大脳辺緑系」(だいのうへんりょくけい)の機能も衰えるので、些細なことでキレなくなるのです。
キレる高齢者は大脳辺緑系の機能が衰えず、前頭葉の機能だけ衰えるので、湧き上がる怒りを抑えることができなくなってしまうという事ですね。

切れる高齢者の環境の問題

さらにキレる原因は身体的要因だけではありません。
環境的要因も原因の一つです。

独居高齢者の増加

たとえば独居老人の増加。
2003年の調査では一人暮らしの高齢者人口は全国で約373万人でした。
ところが2016年にはその数が約655万人にまで増えています。
独居していることによる孤独、あるいは子供の家族と同居しいていても、家庭内であまり口をきいてもらえないとか、無視されているということも孤独を感じる原因になります。
また、会社人間だった人は、定年退職した途端に社会との関わりがほとんどなくなって、孤立無援状態になってしまうこともあります。
人との繋がりが希薄になり、はけ口が見つからない事で怒りが爆発しやすくなるわけです。
さらに定年まで懸命に働いてきたのに、年金が思ったよりも少なくて、生活が苦しくなる不安など、社会に対する不満で怒りが爆発することもあります。
孤独や不安を通じて怒りの火種を持っている高齢者が、実はかなり存在するのではないかと考えられています。
65歳以上の高齢者が3,300万人もいるわけですから、その中の1/3くらいの人が現状に不満を持っているのではないでしょうか?

切れない高齢者になるために

じゃあ、どうすればキレない高齢者になれるの?
それは・・・
ズバリ! 脳を鍛えるのです!!
どうやって?

脳を鍛える!

脳に刺激を与える事をすればいいのです。
わくわくしたりドキドキしたり、そうやって脳に良い刺激を与えて鍛えるわけですね!
例えば、フルタイムではなくても仕事をする、地域のボランティアに参加する、旅行したり恋愛したりするなど、人との関わりを持つのです。
他には、普段読まないだろう思われる本を、あえて読んでみるとか作ったことのない料理に挑戦するなど、一人でできる事もあります。
私の母の事を考えると、一番いいのは、やはり人との繋がりを持つことだと思います。
家族の中だけですと、お互い感情がぶつかり合うだけで、相手に対して気遣いってしないと思うのですよ。
でも、他人と接触するという事は脳が緊張し、適度なストレスになるわけですよね?
こんなに良い刺激は無いんじゃないですか?
心が折れるほどのストレスは体に悪いですが、適度の緊張とストレスは脳に必要なのです。
みなさんが「キレる老人」予備軍だと思って、今から対処してみませんか?
そして、周りにそういう高齢者がいたら、できる範囲で孤独にならないよう気遣って話をするとか、サークルに誘うとか、そんなことができたらいいな、って思います。
実際、認知が進んだ母や叔母に対して普通に話しかけると、とても嬉しそうに、会話してくれていました。
人と話すことって、改めて大事なことなんだと思います。

まとめ

すぐにブチ切れる高齢者がいて、その原因はさまざまです。
脳の委縮によることもあるし、その人の性格がそうさせる場合もあるでしょう。
うちの父も前頭葉が萎縮したのか、70代になるとやたらとキレやすくなって、特に家族に怒鳴り散らしていました。
昔から他人には穏やかで言いたいことも言えないのに、家族には威圧的な態度を取る小心者だったのですが、年を取るにつれてその症状はますます日dくなっていきました。
私はご近所さんのいる前で何度も怒鳴られて、恥ずかしい思いをしました。
こんな時は家族だけになった時に父の異常を本人に知らせるべきだったと思います。
本人がその変化に気づいてくれればいいのですが、その事実を認めなければこれは認知症の始まりと言っていいかもしれません。
切れる高齢者を見たら、「前頭葉の委縮」「認知症の症状」かもしれないことを知って、何とか対処できたらいいと思います。
他人の場合は難しいでしょうが、家族なら症状を遅らせることもできるのですから。

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