Release: 2020/10/10 Update: 2022/02/01
選んじゃダメ!な介護施設 ~失敗しない介護施設の選び方~

選んじゃダメ!な施設って?

介護施設の必要性

身内の自宅介護そしていて「困った」、あるいは「もう無理!」と思って介護施設に預けることを考えている方に、「選んじゃいけない施設」についてご説明しますね。
身内の介護って本当に大変なんです。
相手が自分の親や配偶者だと、お互いに甘えが出て感情的になるからです。
今まで出来ていたことができなくなる、何度言っても同じ失敗を繰り返す、昼夜逆転で夜中に大騒ぎされて寝不足になる、「ひとり歩き」して行方不明になる、火の始末に困る・・・などなど、目を離すことができなくなって介護疲れしてきます。
それなのに、相手に食ってかかられたり暴力を振るわれたりしたら、カーッとなりますよね。
こちらもついつい、手が出たり怒鳴ってしまったりして余計、関係性が悪化し、周りから非難されることも多くなります。
そうなる前に、やはり介護のプロである他人にお世話を任せた方が自分の生活も取り戻せるし、何よりも「ほぼ24時間、見ていてくれる人がいる」ということは安心です。
地域にもよりますが、首都圏から離れた所ならご本人の年金に自分たちでほんの少し負担するれば入居できる施設がたくさんありますので、心身共に疲れ果ててしまう前に長期入居(できれば看取りまで)をおススメします。

介護施設の見極め方

とはいえ、料金が安くて自宅からも通えそうな施設ならどこでもいい、というわけにはいきません。
最低でも1度、できれば2~3回、実際に見学に行って良い施設を見極めることが大切です。
では、どんな施設がダメなのか、その見極め方をご紹介します。

1. 訪ねて行っても職員が中々、出てこない

職員が施設にいるのに人手不足で、誰も来客の対応ができない施設があります。
常に入居者の介護に追われているので、緊急時の対応や個々人の事情にあったサービスが行き届きません。

2. 節電のためなのか、施設全体が薄暗い

建物の中が薄暗いのは、気分的に滅入ってしまいます。
必要以上に明るい照明は必要ありませんが、入居者が個室に閉じこもって誰もリビングや共有スペースにいないというのでは、食事や入浴以外のサービスが無いということかもしれません。

3. 職員が暗い、挨拶もロクに交わさない

普通の職場でもそうですが、人間関係が悪い施設は要注意です。
職員同士がいがみ合っていたり陰口をたたいているような施設では、とても心ある介護を望めませんよね。

4. 入居者がいないリビングなどで職員がおしゃべりしたり、スマホをみている

これは入居者を居室に閉じ込めたまま、必要最低限の介護しかしていない可能性があります。
人を見る現場でスマホに夢中になっている職員しかいないのは、明らかに低レベルの介護スタッフしかいないと言えます。

5. 入居者がいるのかいないのかわからないくらい、シーンとしている

活気のない施設ってありますよね。
しーんとして笑い声も話し声もしない。
母がいた施設はリビングで入居者同士がおしゃべりしたりカラオケしたり、ゲームをしたりしていつ誰が訪ねてきても騒がしいくらい明るい施設と評判でした。

6. 職員が入居者を怒鳴りつける声が聞こえる

介護施設にありがちなのが「高齢者に対する虐待」です。
虐待は叩く、殴る、蹴る以外に「言葉の暴力」も含まれます。
高齢者、特に認知症の患者を預かる施設の職員がキレて怒鳴りつけるというのは、介護職員のレベルが低いか、あるいは忙しすぎて職員の感情や態度が常軌を逸しているのかと勘繰りたくなります。

7. 嫌な臭いがする

施設設備として「換気が行われていない」、「消臭機能が無い」、「汚物処理などの掃除が行き届いていない」ことが考えられます。
一昔前の施設と違って今の建物はしっかりとした防臭設備が整っているはず。
見学に行って嫌な匂いがするというのも、施設を決める判断材料になると思います。

介護施設で受けられるサービス

確かに自分たちで介護できない分、誰かにお世話してもらうことは有りがたいことです。
しかし、入居した以上は職員の心ある暖かい介助を求めることは当然のこと。
とはいえ、「金を払っているんだから、もっとサービスを増やせ」というのも、ちょっと違います。

介護施設では基本的に各自の介護プランに沿った介護のサービスをしてもらう所ですから、それ以外のサービスを受けるには「実費負担」になることもお忘れなく。

そういったことを頭に入れてから、職員の態度や施設の状態を見てきて欲しいのです。

良い施設は建物ではなく、職員の質に掛かっている

介護は、やはり「心ある暖かい介護をしてくれる」かどうかにかかっています。
介護職員に声をかけづらい雰囲気だったり、他の入居者にキツイ言葉を発していたりするのでは、安心して身内を預けられないですよね。
そういう職員のいる介護施設は、お客様や部外者の方がいる時だけ、いい顔をするということができません。
誰がいつ訪ねて行ってもその態度は変わらないものです。
お客様に気を遣うという気配りができていない職員が多いということですね。
見学時にいろいろ質問しても「あたしは介護の人間だから、そういうことはわかりません」と言う職員も実際に存在します。
わからないことを聞かれても、「担当者を呼んでまいりますので、こちらにお掛けになってお待ちください」という最低限度の接客もできないようでは、介護職員と言うより社会人として失格です。
母が一時期 お世話になったある施設では夕食を済ませ、就寝介護が終わってからは、各部屋の見回りはするものの、夜中のオムツ交換をしてくれませんでした。
理由はその介護施設の都合によるもので、夜中におむつ交換しても介護保険点数がつかないので、翌朝、デイサービスに行かせて、そこで交換してもらうという信じがたい理由でした。
夜中におむつが汚れても、デイサービスに行くまで、あるいは翌朝、施設での介護時間になるまで放置されているのです。
職員がすぐに辞めて人手が足りなかったり、職員の意識が低い施設は実在します。
建物だけは立派なのに、中で働く人間の質が悪い所に入居すると不幸です。
HPの口コミや広告だけでなく、是非、2~3回の見学をするのが大切なのはこういう実態をしっかりと見極めるためです。

介護施設見学のコツ

また、見学する時は一人で行くのではなく、家族や親せき複数人で見学することをおススメします。
自分だけでは気づかなかった点も、他の人が気づいてくれることがあるからです。

まとめ

誰でも自分の親を預ける施設選びには慎重になると思います。
とはいえ、限られた時間と予算の中で「ここだ!」と思う施設に巡り合うのは稀です。
施設はどういうサービスをしてくれるのか、どういう生活ができるのかなど、自分たちにとっての優先順位を決めて見学するのが大事です。
その中でもやはり一番気にかけて欲しいのは「いい職員」が揃っている施設を選ぶこと、許認可施設を選ぶことです。
担当のケアマネージャーさんやソーシャルワーカーの方と一緒にできれば、ご家族の方も一緒にいくつかの施設を見学されることをおススメします。

失敗しない介護施設の選び方

 


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